【教育】これが現実か・・・努力で天才に勝つことはできないのか?

今疑問に思っている事、解決したいこと

各学校の教室には様々な児童生徒がいますよね

  • ひたすら叫んでいる子
  • 走り回る子
  • 友達とじゃれている子
  • 本を読んでいる子
  • 恋バナしている子


いろんな子がいるし、触れ合える点では楽しいですよね
しかし、いい面だけでなく、

  • 友人関係のもつれからいじめられてしまう子
  • 実は幼い頃に親を亡くしてしまっている子
  • 学校に行きたくても、病気等理由があって行けない子
  • 自ら学校に行くのを放棄する子

少なからず、子供が成長していく上で、学校の存在はかなり大きいものだと思っています。
しかし、そんな学校では大半の時間が「授業」つまり勉強です。
将来、いい高校、大学、会社に勤められるよう、一生懸命勉強します。
しかし、当然ついていけない子が出てきます。
そしてどんどんその数は増えていき、次第に脱落する、、、まるでフルマラソンを走っているかのように
この長いマラソンで皆が脱落しないように、教員や保護者といった大人が子供を支えます。
しかし、走るのが苦手な子、嫌いな子がいるように、いくら子供自身が頑張ったところで、いわゆるスポーツ選手になるような子に勝てません。この例、実は学力においても同じことが言えます。

子供は育てる親自身の影響が大きい。というのは言うまでもありませんが、親の社会的地位によって、子供の努力だけでは変えようがない条件によって、学力に差ができてしまう部分があるのも事実です。

これについて今日は話をまとめていきたいと思います。

テーマ「家庭の社会経済的背景によって子供の学力はどのくらい変わるのか」

これから、学力の差のことを「学力格差」と呼んでいきます。学力格差というのは教育問題としてとらえるのではなく、社会問題、つまり、本人が選ぶことができない条件によって学力に差が生じてしまうという意味です。

学力格差=社会問題(教育の問題ではない)

による社会経済的背景のことをSES(Social Economic Status)と呼びます。

このSESとは具体的に次の3つの要素を得点化し、その数値をSESスコアと呼びます。

  • 家庭所得
  • 父親学歴
  • 母親学歴

そして、学力を測定するにあたり、様々な要素を数値化し、統計的分析(単回帰分析)で学力のスコアを求めたところ以下のことがわかりました。

 

学力を規定する力の強い変数

  1. 保護者の教育期待(中学校ではここが一番高い)
  2. SESスコア(小学校ではここが一番高い)
  3. 学習時間

①による、保護者の影響は「入試」の存在がでかいです。少なからず家族の影響を受けるのでしょう。

②によるSESスコアによる影響が小学校で高いという結果がでました。このことから早期教育で一定数差がでるのもうなずけますね。

ですが、中学校で入試がある関係上、おそらくほとんど差が無くなるのも事実としてあるようです。

そして③による影響、これが一番何とも言えないショックな事実でした。

SESスコアで高い階層から低い階層で4つの階層に分けたとき、一番下の階層の子が3時間以上勉強したとして、一番上の階層の子の勉強が0時間だったとしても、勝てるかどうか怪しい。という事実がわかったようです。(もちろん絶対ではありません。勝てる可能性が限りなく低いと捉えてください。)

これが、努力だけではどうしようもない学力格差の現実・・・

やはり、ただ単に勉強しろ!というのは圧倒的無意味だと改めて学びました。

ですが、唯一の救いはあくまでこの3つで学力を説明できているのは全体の30%程度
です。(決定係数より)残り70%程度は子供の特性、行動様式等で構成されています。

また、以下の変数は学力を規定しない変数として出てきました

  • 相談する友人数による影響
  • 子供の教育に関わる地域の住民数

友人については意外でした。まぁプライベートで勉強の話をするのは受験や定期考査がないかぎり、しないのでしょう。もう一つの方も関係ないとは出ていますが、きっかけを作る(お母さんたちの世間話から塾の話に発展するなど)という意味では欠かせないのかもしれません。

まとめ

いかがでしたか。やはりスポーツが才能と呼ばれるように、勉強にも当然才能があります。ですが、

あくまでそういった変えられない部分もあるという事実は少なからずある

これを知れただけでも今回はかなり有益な情報を得られた気がしました。

以上、本日の備忘録でした!

 

参考書籍

学力格差拡大の社会学的研究 小中学生への追跡的学力調査結果が示すもの [ 中西啓喜 ]

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学力格差への処方箋 [分析]全国学力・学習状況調査 [ 耳塚 寛明 ]

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